敵戦力が撤退していくのを見送って、ティエリアは息を吐いた。
  電撃を受けた体が、まだその衝撃に痛んでいる。

  結局、新型MAに捕まった自分たちを助けたのは、ダブルオーライザーだった。
  トレミーから飛び出したダブルオーライザーが、迫っていたイノベイター機を2機とも撃ち落し、自分たちを拘束していた電磁拘束ムチを一撃で破壊し、さらに新型MAに損害を与えて撤退に追いやった。

  (やはり、切り札はダブルオーライザーか・・・・・・)


  【さん!! さん!!!】
  「?!!」
  アレルヤの声に、ティエリアは我に返った。

  周囲を確認すれば、ボロボロのGNSが漂っていた。

  先の戦いでの損傷を応急的な修理だけで持ちこたえていたのだ。
  あれだけの被害を被ったというのに、すぐに修理を施し、さらにイノベイター相手に互角に戦う       そのことに素直に感嘆していた。
  だが、さすがのGNSも、自分たちと同じように電磁拘束ムチによる攻撃を受け、限界に達したのだろう。


  【さん!!! しっかりしてください!!!】
  「どうした?」
  【ティエリア!! 彼女からの応答がないんだ!!!】

  アレルヤの言葉に、ティエリアは表情を引き締めた。

  (まさか、彼女に限って・・・・・・まさか、そんな・・・)


  「、トレミーへ帰還を」

  しかし、ティエリアの呼びかけにも、返答は返ってこなかった。
  それどころか、GNSは宙を漂うばかりで、エンジンすら起動しているのか怪しい。

  !! 聴こえているか!!?】

  さん!!!】

  それでも、GNSは沈黙を続けたままだった。
















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