聖十字学園 高等部一年 & 祓魔塾 訓練生ペイジ、ちょっとキンチョー中です☆(ノд-。)






  バレンタインから一夜明けた今日、2月15日       昨日の出来事を思い出す度に、溜息を吐きそうだ。

  祓魔師エクソシストを目指して、同じ教室で授業を受ける彼に、バレンタインにチョコを渡そうと決意した。
  ・・・のは良かったのだけど、チキンすぎて。
   彼を呼び出す  → 彼と二人っきりになる → チョコを渡す 
   の一番最初、彼を呼び出すのハードルが高すぎて。

  結局、その最初の高すぎるハードルを越える手立てが思いつかず、
  最終手段・塾生全員にチョコを配るという暴挙に出たのが、昨日のことだ。

  彼を含む塾生全員に、授業終了とともに手作りチョコクッキーを配り、何とか作戦を成功させたのだが      .




  「よぉ、! 早いな」
  「あ。燐くん! おはよー」
  後ろから追いついてきた奥村燐が、歩調を緩めての隣に並ぶ。

  燐も昨日、がクッキーをあげた塾生の一人だ。
  とりあえず、元気そうなので、ほっと一安心。お腹を壊したりはしなかったようだ。


  「、昨日はありがとな」
  「?」
  「お前、料理上手いんだな! 美味しかったぜ、あのクッキー」
  「!!」
  燐の言葉に、が嬉しそうに頬を染めた。
  「本当?!」
  「あぁ。ちょっと焦げてっとこもあったけど、旨かったぜ」
  「よっし!!」
  が小さく拳を握った。そんなの様子に笑いながら、燐が感想を告げる。

  「雪男も旨そうに食ってたぜ」
  「よかったぁ・・・」
  「?」
  「あんまり慣れないことしたから、失敗したかと・・・・・・」
  心底安心した様子のリサに、燐が目を丸くした。

  「お前、そんなこと心配してたのか?」
  あまりに驚いた様子の燐に、が口を尖らせる。

  「そうだよ。それに、燐くんが料理得意だなんて知らなかったし・・・知ってたら、絶対手作りなんてしなかった」
  「何でだよ? 俺の料理の腕は関係ないだろ???」
  「そういうわけにはいかないよ」
  「??? ま、いいや。また作ってくれよ。皆もまた食いたいと思ってるだろうし」
  きょとんとしたが、満面の笑みで大きく頷いた。




  教室へ行き皆から直接感想を聞いて、来年も彼だけじゃなく、塾の仲間全員にバレンタインを贈ろう       そうが決めるのは、もうこのすぐ後。











Photo by clef

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